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私にとって最高のお客様!

夏休みが終わるこの時期に思い出すお客様がいらっしゃいました。
私の料理人生でこれほど大切で最高のお客様はいません。
良くご利用頂いているお客様が息子さんを連れてお見えになりました。

思わず、ビックリしてしまいました。
中学生と聞いていましたが、体は細く小さく顔色も蒼白く小学生位にしか、
見えませんでした。

食べる量も少なく、柔らかいものしか喉を通ることができないのです。
ムースやフォアグラ、煮込みなど特別メニューを作って差し上げました。

余りに消え入りそうな様子を見ていると辛くなって耐えられませんでした。
厨房で余りに可哀想で涙を流しながら料理を作りました。

わずか13歳でこんなに辛い経験をしなくてはならないとは・・・・
甲状腺を切除している様で喉に手術の跡があり、声も少しハスキーです。
成長が遅く体力も点滴や食事で何とか維持している状態でした。
福岡大付属の病院に入院しながら病院で授業を受ける生活だそうです。

その後、冬休み、春休み、夏休みの度にご来店いただきました。
立て続けに食事をされる事も有りまして、表情も明るく笑えるようになりました。
体調がすぐれない時も元気なそぶりできずかれない様にしていました。

ある日お父様から電話で、
「様態が思わしくないのだが、どうしても食べたいと言うので料理を送ってくれませんか」 と言われ、その次の日に流動性の食べ物を沢山作って送りました。
もう何度も生死の境を経験していたのだそうです。

いつもおいしいと食べて頂いて、好きな料理だとにっこり笑って。
帰るときには丁寧に 「ご馳走様、有難う御座いました。」 とお辞儀をして
その後も休みを楽しみお店に来てくださいました。

昨年の夏休みには身長は伸びていましたが、
状態は思わしくないようで、酸素吸入用のボンベと管を装着していました。
体に脂肪分がないので夏でも厚着をしないと冷房で体調を崩すのだそうです。
その日がお会いする最後の日なってしまいました。

私も一生懸命に作りました。彼も一生懸命生きるために食べてくれました。
私たちのお店に来るのを目標にして治療にも耐えていたそうです。
わずか19歳で昨年12月に亡くなられましたが、
私たちの心にはいつも笑顔の彼がいます。

もう辛い思いをしなくて良いと思うと複雑な気持ちです。
来世、もし会えるとするなら是非お会いしたい小さな最高のお客様です。

有難う御座いました。

update: 2008/08/28,

これまでのコメント

  1. ファン :

    お客にも最高とそうでない人がいるということですね。
    この人が最高ということは、他の客はそれに劣るということになります。
    客に優劣を付けて対応しているということでしょうか?
    他のレストランと比較されるのは嫌なのに、客を比較するのはいいのですか?

  2. cerfeuil :

    ご指摘有難う御座います。

    けしてお客様に差異をもって対応しているのでは御座いません。
    作り手とお客様は長い時間と回数を共有する事で
    相互理解を深める事ができると思っています。
    もちろん同様のお客様もいらっしゃいますが、
    亡くなった彼とお会いした最後の同じ日に
    ご両親が位牌を持ってお礼にこられたので
    感謝の意味をこめて書いた物です。

    ただお客様にも味の趣向が御座いますし好き嫌いもございます。
    なかなか全ての方と同調しあう事は難しいのは確かです。

    私達の飲食業では新規10人のお客様が、又来店される確立は
    平均3~4人だそうです。
    ですから接客や料理を丁寧にしておりますし
    優劣を付けて対応することはけして御座いません。

    ただ他のお客様にご迷惑な方にはご注意する事は御座います。
    特定の常連客が楽しむだけのお店ではありませんし、
    料理と時間を楽しむ権利は全てのお客様ございますから。

    何せ乱文なのでお答えに成っていないかもしれませんが、
    今後ともご指導くださいませ。

  3. ファン :

    丁寧なご返答ありがとうございます。
    いい話なのに、茶々を入れてすいませんでした。
    最高のというランク付けが気になって書いてしまいました。
    全ての方と同調しあう事は難しい、確かにその通りだと思います。
    無理して同調しあうと、本来の姿を見失ってしまう危険性があります。
    ぜひ今の姿勢を貫き通してください。
    そういうレストランの存在は、ファミレスではないのですから、必要だと思います。

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